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2019.4.26

「あなたの考え」から論理立てた解決策を導く--みらい思考力入試
武庫川女子大学附属中学校(兵庫県 女子校)

 

大学入試の「明治以来の大改革」に伴い、中高の入試で問われる学力も大きく変化しつつある。武庫川女子大学附属中学校では、教育改革の一環として2019年度入試に「みらい思考力入試」を新たに導入した。入試相談室長・大﨑剛史先生に、導入の経緯や入試の狙いをお聞きした。

 

思考力、表現力は今後必須の学力になる

 

次期学習指導要領や大学入試改革において重視される学力として「思考力」「表現力」がある。今まさに、従来型の知識ばかりを問う学力観が大きな転換点を迎えている。この変化を背景に、武庫川女子大学附属でも教育内容の刷新に取り組んでいる。

「新しい時代の学びに向けて、本校では2つの大きな取り組みを進めています。一つがSSH第3期の指定を受けて、女性の科学研究人材を育成すること、もう一つが論理的思考力を伸ばすこと。これらの学びの中身に合わせた入試のあり方について学校長の意向のもと、導入を検討しました。」

「みらい思考力入試」を導入した経緯について、大﨑先生はそう話す。内部進学を前提とする大学附属校にとって、世の中で騒がれる大学入試改革の影響はそれほど大きくない。それでも同校は、科学的に物事を見る際に必須の探究的に学ぶ姿勢と、探究的な学びの推進力となる論理的な思考力を教育改革の二本の柱とした。探究と論理--同校が示した、21世紀型女子教育のビジョンだ。

「中学1年の国語Bの授業では『事実』『主張』『理由づけ』を整合的に組み立てていく『三角ロジック』の思考法を学びます。従来の国語では、読解によって問題文に書いてある中から解答を読み解く力が重視されていました。しかしこれからは、ある課題について現実社会という広い文脈の中で、どういう解決方法があるのか、その発想力や表現力が、評価されるようになります。」

2019年度入試で初めて実施された「みらい思考力入試」だが、どのようなタイプの試験なのか、プレテストで事前に示されていた。そして、プレテスト、本入試ともにテーマが一貫していたのは、大問4だ。SDGsの達成状況などに対して「あなたの考え、行動」を論述する。

問い 本文の内容と、「目標1 貧困をなくそう」の内容をふまえて、あなたがこれからの未来のために、そして「貧困をなくす」ために、しなければいけないことはどのようなことだと考えますか。あなたが考えた具体的な行動と、その理由を80字以上100字以内で、それぞれ説明しなさい。

(平成31年度 武庫川女子大学附属中学校 みらい思考力入学試験より抜粋)

「小学生ですから、本人にできるのは、無駄を減らしてその余剰を援助に充てることぐらいなのかもしれませんが、普段から様々な社会問題について考えている受験生は、具体的でしっかりとした理由づけのある解答を書いていましたね。

会社を立ち上げて、廃棄される食品を廉価に販売、食事の支援と同時に貧困支援の財源も確保する、という解答もあったという。ここまで書けると、大人も顔負けだろう。

「問題を作成していくのはたいへんですが、つくっていく楽しさと面白さも感じています。どんな解答が出てくるのかが、とても楽しみです。当初は、将来の女性科学者を念頭に置いた入試でしたが、経営者や起業家に向いていると思える解答もありました。」

同校では、能動的な学び、協働的な学びを多く取り入れている。学校紹介パンフレットの制作や自分で次の課題を見つける授業、プレゼンテーションの機会も多い。全校に配置されたWi-Fi環境のもと、それらの授業ではタブレットなどのICTツールが大いに活用されている。

「考えたり表現したりすることが好きだ、あるいは、そういう学びに挑戦したいという受験生にぜひ受けてもらいたい。普段から身近な問題に興味を持って、なぜそうなるのか疑問を抱いてください。疑問は探究の原動力です。保護者の皆さんは『あなたはどう思う?』と常々聞いてあげてください。答えは必ずしも正解でなくても構いません。考えるきっかけが何より大切なのです。」

 

進学館
武庫川女子大学附属中学校・高等学校
http://jhs.mukogawa-u.ac.jp/
〒663-8143 西宮市枝川町4-16
TEL 0798-47-6436

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