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2018.4.1

【創刊】ミライノマナビ

20年間ずっと見過ごしてきたこと

みなさんは10年前の社会を覚えているでしょうか?

20年前はどうでしょう?

10年前はスマートフォンが世の中に出始めた頃です※。それ以降、動画サイトや位置情報を使ったサービスが一般に普及しました。動画サイトの投稿者「YouTuber」が憧れの職業となった現在からはもはや当時を思い起こすことが難しく感じられます。

※iPhoneの日本での発売は2008年7月

20年前まで遡ると、Windows95のヒットにより、コンピュータがビジネス機器から脱し一般の家庭に入り込んでまだ数年でした。多くの人が初めてインターネットに接続したという時代でした。逆に言えば、それよりも前は、仕事の必要からか、あるいはマニアックな趣味としてしか、ネットに接続することはなかったのです。

この20年間の社会状況の変化は、今から振り返ると「第三次産業革命」として認識されています。コンピュータとインターネットの発展が、社会を大きく変えた時代でした。

現在から振り返ってみると当たり前のことです。しかしながら、20年前に現在の社会を予測し、行動できた人はどれぐらいいるでしょうか。さらに問題を教育に限定すると、今日の社会的・技術的状況を予測した動きはほんの一部に限られていました。この20年間、特に初等・中等教育は、依然として第二次産業革命(電気モーター、内燃機関による産業革命)後の考え方をベースにしていました。それは、ごく大雑把に言えば「正解がある問いに対して、いかに効率よく、ミスなく答えにたどり着けるか」という能力の育成です。20年前までの日本の発展を支えたのもこのアプローチでした。

ところが、この20年間で社会は大きく変化しました。当然、旧来のアプローチは通用しなくなります。正解がある問いを解くのも、効率よくミスなく作業を進めるのもコンピュータには到底敵いません。勝ち目のない無謀な戦いに前途ある若者を消耗させていては国の発展も個人の幸せも実現しないでしょう。

 

想像もつかない未来がやってくる

この間、世界では新しい時代に対応した教育が作り上げられてきました。国際バカロレアという世界共通の大学入学資格を制定する過程で、教育の本来の姿が見直され、未来社会で求められる能力が再考されました。この意味で、日本は一周も二周も遅れています。

さて、過去の失敗は反省しつつ、未来に同じ轍を踏んではいけません。今から10年後、20年後、社会はさらに大きく変化しているはずです。20年前、今日の社会状況を想像するのが難しかったように、現在から20年後を想像するのは難しいでしょう。とは言え、分かっていることもあります。それは第四次産業革命が起きること。その原動力としては、人工知能(AI)、IoT(Internet of Things モノのインターネット)、3Dプリンタなどが考えられること、です。

私たち大人から見れば、それらはまだ夢物語であったり、現状ではオモチャのような技術かもしれません。しかし、子供たちが生きる10年後、20年後には、洗練されたテクノロジーとして、現在のスマートフォンのように当たり前になっている可能性が高いのです。産業構造や働き方、生活のスタイルまで現在からは想像できない変化を遂げているでしょう。

 

ミライノマナビはじまる

20年分の遅れを取り戻し、なおかつ20年後の社会に対応する教育をすること、これが2020年の教育改革--「明治以来の大改革」の大きな意義です。40年分の社会変革が凝縮された教育の一大改革なのです。今なぜこの改革が必要なのか、そしてそれはどのような変化なのか、未来の学びがどのように始まるのか、これらこそ今もっとも伝えるべき情報だと私たちは考えました。

『ミライノマナビ』は、受験生とその保護者はもとより、教育に関わる人、子供の成長、日本の将来の社会や人材像に関心のある人たちと、社会の変化や変わるべき教育の方向性という土台を共有して、新しい教育のあり方を考える場です。それが、より良い未来を作っていく第一歩であると信じています。

立場や思想を超えて、ともに未来を見つめていきましょう。

 

ミライノマナビ編集部

ミライノマナビ編集部

グローバル化&AI化が子供たちにとって明るい未来となってほしい。来るべき未来に対して教育は何ができるのか、子育て世代やこれから社会に出る若者たちみんなが考えるきっかけを提供していきます。

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