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2019.2.22

多様な世界に続く正門——ハワイ大学連携「3+2+2・パスウェイプログラム」
追手門学院高等学校(大阪府 共学)

追手門学院高等学校および追手門学院大手前高等学校は、ハワイ大学機構のカピオラニ・コミュニティーカレッジ(以下KCC)への推薦入学制度「3+2+2・パスウェイプログラム」を発表した。海外大学への進学が注目を集める中、推薦制度の導入は大きなニュース。追手門学院高校・主幹教諭の田橋知直先生に新制度についてお聞きした。

ハワイ大学マノア校

 

新たに導入される推薦制度は、KCCが定める英語力の基準(TOEIC®430点、英検準2級)をクリアすれば、入学準備コースを経て入学が認められる、というもの。KCCは一般教養(Liberal Arts)を学ぶアメリカの公立2年制大学。一定の成績を修めれば、同じハワイ大学機構にあるマノア校への編入が認められる。マノア校は、世界大学ランキングで201~250位と、国内では大阪大学と同じランクだ。制度について田橋先生が次のように説明してくれた。

※ “Times Higher Education World University Rankings 2018″による

「KCCでGPA(日本の評定平均に当たる)2.5点(4点満点)以上であれば、マノア校への編入が認められます。KCCの留学生平均が3.1点なので、きちんと勉強する学生にとってはそれほど高いハードルではありません。」

アメリカの4年制大学は学費が高いことで知られる。そこで、前期2年間は、学費の安いコミュニティーカレッジで教養課程を修め、専門科目は4年制大学の後期2年間に編入する「2+2」という学び方が、アメリカの大学生の中でも一般的になっている。コミュニティーカレッジ卒業後に一旦社会に出てから、4年制大学に編入というルートも珍しくない。また、KCCは、単体でも全米1200のコミュニティーカレッジの中で15位に評価される優れた教育機関でもある。さらに嬉しいことに、マノア校進学に際して返済不要の奨学金制度が用意されている。

「KCCでの成績がGPA3.3点以上であれば、マノア校での授業料の約半額(年約16500ドル)が給付されます。この奨学金が得られれば、KCCの2年間とマノア校での2年間を合わせても5万ドル弱、日本の私立大学で4年間学ぶのと同じ程度の授業料で、アメリカの優れた高等教育が受けられます。」

もちろんハワイでの生活費は別にかかる。ワイキキの住宅の賃料は日本と比べて割高だが、ルームシェアやホームステイを上手に利用すれば、関西から首都圏の私立大学に行くよりも安くできる場合もある。

 

開進館

 

意欲のある生徒にとって非常に魅力的な推薦制度だが、肝心の英語力など学力がついていけるのか、という点が多くの保護者・生徒の不安なところだろう。その点も追手門学院・KCC両校挙げてのサポートが充実している。

「KCCへの推薦を希望する生徒には、放課後に追手門学院大学の留学生やE-CO (English Café at Otemon)の外国人スタッフの協力のもと、プレゼンテーションやディスカッションの授業を展開します。他にもTOEFL®講座の開講を考えています。また、KCCへの入学決定後、実際の入学の9月までの半年間は『HELP』というKCCと連携した語学学校で英語力を鍛えます。さらに、KCC入学後に、成績が振るわないなどの困った状況になっても、留学センターがカウンセリングを行うなど、とても面倒見良く指導をしてもらえます。」

ハワイは観光地という土地柄もあって、治安が良く、外国から来た人に寛容なところがある。その上、事前学習や現地での学習カウンセリングも整っているとなれば、海外で学ぶことの不安も大半は解消されるだろう。

「ハワイ大学との繋がりを持つ本学院職員がいたこともあって、今回の連携が実現しました。それとは別に、本学院は40年前からオーストラリアとの交流があり、今後、同国のグリフィス大学やサンシャインコースト大学とも同様の協定が結べないか、プログラムの内容をそれらの大学と相談しているところです。」

優れた高等教育を求めて、また、世界で通用する学位を求めて、海外大学への進学に注目が集まっている。だが、これまで個人で海外大学へ進学するには、いくつかのハードルを自分の力で越える必要があった。このプログラムは、意欲はあるが方法がわからないという生徒にとって、世界へと開かれた門の役割となるだろう。まさに世界への正門「追手門」だ。

「海外で学ぶことの最大のメリットは、英語よりも多様性を経験できることにあります。日頃から、自分と違う考え方を排除せずに、きちんと向き合って、深く考えてください。自分との違いはどこだろう? 相手はなぜそう考えたのか? そして、そもそも自分はなぜそう考えたのだろう?……世界の多様性を受け入れて、思考停止せずに考え続けること。それは、これからのグローバル時代に大切なマインドセットなのです。」

 

2019年4月 追手門学院中高 移転&新校舎

JR総持寺駅から徒歩10分。全体がシームレスにつながり、プレゼンや協働的学習に適した「いつでも、どこでも学べる空間」が実現。詳細は「新キャンパスプロジェクト」をご覧下さい。

 

追手門学院高等学校
https://www.otemon-jh.ed.jp/
大阪府茨木市西安威2-1-15 ※2019年4月移転
TEL 072-643-1333(代)

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