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2018.7.13

チームで未来の街を作ろう

 

毎年4月に、レゴ®スクールの「ロボティクス・コース」受講生の合同イベントが開催される。今年も同コースの5年生から中学生までの希望者約60人がアップ大阪上本町ビルに集まり、テーマに沿って、普段できない大きな作品に挑戦した。

 

今年のテーマは「スマートタウン」。毎年異なるテーマが設定されるが、例年、時事ネタを取り入れたものや、未来をキーワードにしたものになる。

参加者は十数人程度のチームに別れて、テーマをもとに午前中いっぱい使って、アイデアを出し合い、設計図を練り上げていく。各チームはクジで引いた二つの施設(例えば「競技場と病院」とか「学校と駅」など)の組み合わせを作っていくのだが、ポイントとなるのは未来的な発想で課題を解決すること、そのために、街のどの部分にロボットのパーツを組み込むのか、というところ。

「普段の教室では、共同作業といってもペアワークぐらいです。このイベントでは、各教室の生徒が一堂に会することで、他の教室との交流をはかると同時に、大きなチームで一つのプロジェクトに取り組む機会にもなっています」

レゴ®スクール マスタートレーナーの橋本成隆さんはそう話す。イベントを始めた当初は教室ごとにチームを作っていたが、現在は教室をシャッフルして「初めまして」の人とチームを組むこともある。そうしてプロジェクトに挑む中で、リーダーシップを発揮する参加者がいたり、他の教室からの参加者に刺激を受けて、学びのモチベーションを改めて高める参加者もいる。

スマートタウンを設計するに際して、三つの課題も出された。それは「安全性」「利便性」「快適性」を意識した街であるということだ。

「その施設にどのような未来の設備が整えられるのか、子供たちはイメージしながら設計していきます。その過程で、レッスンで教えた基礎を超えて、センサーやモーターの応用した使い方を発見しているようです」

イベントを担当したハウサーウィ・アッバースさんが当日の子供たちの様子をそう話してくれた。参加者が取り組んでいるのはモーターやセンサーを使ったオモチャではなく、全体としてうまく機能するシステムなのだ。モーターやセンサーはシステムを動かしたり機能させたりするパーツとして必要に応じて組み込まれる。アッバースさんに印象に残ったアイデアを尋ねると

「レストランを作ったチームは、後片付けを自動で行うというアイデアを出しました。センサーに触れるとテーブルが傾き、卓上の皿がベルトコンベアーにすべり落ちるというシステムです。住宅を作ったチームは、小さな子供をあやすためのロボットを作っていました」

思った通りの形にできて、しかもセンサーやモーターで自在に動かすこともできるレゴ®ブロックは、アイデアを表現する手段として非常に優れている。

このイベントは、朝に集合してから、昼の休憩を挟み、4時間半にも及ぶ長丁場だ。イベントの最後に作品の発表に臨む参加者は達成感に満ちている。ともにプロジェクトに取り組んだチームの仲間が新しい友達になることも少なくない。

これからの時代には「主体的・対話的で深い学び」が求められるという。古い教育を受けてきた世代にとっては、机上で黙々とノートを取ったり、問題集を解いたりすることが学びであった。しかし、レゴ®ブロックを使って、チームでアイデアを出し合い、作業の分担などを決めながら、それを形にしていくこと、そしてそこから得られる達成感や自信、こんな学びの方法があったのかと驚嘆する高度な思考体験の一日だった。

 

ミライノマナビ編集部

ミライノマナビ編集部

グローバル化&AI化が子供たちにとって明るい未来となってほしい。来るべき未来に対して教育は何ができるのか、子育て世代やこれから社会に出る若者たちみんなが考えるきっかけを提供していきます。

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