オンライン教材を活用しよう
新型コロナの影響で学校でのコミュニケーション活動ができない今こそ、家庭で視聴覚教材を有効に活用した、英語学習はいかがでしょうか?
2020年度から始まった小学校外国語活動・外国語教育に合わせて、文部科学省は、英語の実践能力やICT能力の育成、活用という観点から、新しいスタイルの授業形態を計画していました。それは、AI(Artificial Intelligence: 人工知能)ロボット、タブレット端末、インターネット経由によるALTとの対面形式の英会話の導入などの授業です。
そして、2018年度から子ども達が楽しみながら正しい発音や会話を学べるとして、AIロボットによる英語の授業が一部の小学校で行われていました。
英語教育におけるICT活用の利点として、文部科学省は以下の点を挙げています。
①英語に対する興味関心を高める
・動的、インタラクティブなコンテンツの提供
・一人一人の能力や特性に応じた学びが可能
②学習効果を高める
・Native音声による教材
・コミュニケーションツール等の活用により他地域・海外との交流学習
③進捗確認/課題発見に役立つ
・デジタルなログ管理
・家庭学習、他学校等との連携
※英語教育におけるICTの活用(2014年5月21日 文部科学省 国際教育課)
文部科学省主催の英語の教員研修を担当しているブリティッシュ・カウンシルでは、「子ども向け英語学習・教材サイト Learn English Kids」で、オンライン教材を提供しています。
https://www.britishcouncil.jp/programmes/english-education/resources-teachers/online/elementary
この教材は、新学習指導要領で求められる「主体的・対話的で深い学び」、すなわち、子ども達の興味・関心のある話題(主体的)で、子ども達が本当に友達と話したいことや友達の意見や考えを聞いてみたいと思えるコミュニケーションの場を設定する(対話的)、児童自身の思いや考えを深めたり、判断し課題を解決しようとすることで、言語の知識・技能が習得できる(深い学び)を踏まえて、子ども達が楽しみながら、繰り返し英語に親しむ機会や良質で本物の英語に接する機会を提供しています。
英語教材として、「リスニング(聞く)-音声教材:歌」「リスニング(聞く)-動画」、「リスニング(聞く)-色ぬり 中学年向き」や「スピーキング(話す)・リスニング(聞く)-ピクチャーカード」が用意されています。
また、異文化理解教育の内容、例えば「あなたの髪の毛は何色ですか? 長いですか、短いですか? カールしていますか、まっすぐですか? 好きなヘアスタイルがありますか? あなたは美容室に行きますか?」(ワードゲーム)等もあり、子ども達は英語を学びながら、日本人の髪の色と欧米人の髪の色等の違いに気づき、言語や文化に対する関心や意欲を高めることができます。日本語も掲載されているので、英語が苦手な子ども達でも楽しく取り組めます。
実際に使ってみよう
では、実際に学習をしてみましょう。子供向けの内容であるListen and watch, Read and write, Speak and spell の中から選んで、「Listen and Watch」をクリックします。
すると、「みんなは英語で歌を歌ったり、お話を聞くことは好きかな? Listen and watch では、英語の歌や、楽しいお話の動画を紹介しているよ。動画を見たら、ゲームやワークシートにチャレンジしてみよう! コメントを残すこともできるよ。」と説明があり、そこから「Songs」をクリックすると73曲の歌が絵と一緒に出てきます。今回は、小学校5年生で学習するcan を使う歌、「I can run | 走ろう」を選びました。
「走ることはできるかな。泳ぐことはできるかな。飛ぶことはできるかな。この歌を聞いて、あなたができること、できないことを書いてみよう。」と歌の学習内容が示されています。
次に、この歌に出てくる動作を表す語彙(hop, swim, skip, jump, run)について、絵を手掛かりにして音声と文字を学びます。
歌が歌えるようになったら、「I can~.」の文字を読む活動へとつなげていきます。これは、学習指導要領の「読むこと」の目標である「ア 活字体で書かれた文字を識別し,その読み方を発音することができるようにする。」「イ 音声で十分に慣れ親しんだ簡単な語句や基本的な表現の意味が分かるようにする。」が達成できる活動だと思います。