近年、ワーク・ライフ・バランスを超えた次の概念として「ワーク・ライフ・インテグレーション(統合)」が提唱されています。しかし、シンギュラリティを迎える今の子供たちは、さらに一歩進んだワークとライフの融合が幸福な人生のカギになるでしょう。これからの時代、どういう生き方、学び方をすべきか。私の考えを書いてみました。
ワークとライフが溶け合う生き方
結論から述べますと、これからの子供たちは好きなこと、やりたいことをやって生きて良いし、それが幸福な人生に直結するので自分が楽しいと思うことを追求するべきだと思います。
興味のあることは千差万別ですが、興味がわくことを少しでも始めれば上達し、創作したり奏でたりしたもの、知識や製品がそれを望む人たちの手に渡ることになります。そして何より人生の楽しい時間が持続します。
近年では、ワーク・ライフ・バランスではなく、ワーク・ライフ・インテグレーション※1という概念が出てきています。これは仕事とプライベートを対立するものではなく、ともに人生を充実させる大切な要素であると捉えて、双方を統合(インテグレーション)させて生活の質を向上させようとする取り組みです。
考案された高橋先生のお話を伺うと概念は素晴らしいのですが、仕事も生活もストレスがあって当然のものであるという前提を感じます。お話の中に「やりたいことをやるために仕事を効率的に行うことで生産性も上がる」という考察がありました。それならばいっそ、心から楽しいことを仕事にすることで仕事のストレスが減り、生活との境目が薄れてくる(=融合する)ため、統合を飛び越えて融合を目指す方が良いと思います。
※1 慶應義塾大学大学院・特任教授 高橋俊介 ワークライフはなぜ統合なのか【慶應義塾大学大学院・特任教授によるキャリア講座「私たちのキャリア入門」vol.14】
https://type.jp/tensyoku-knowhow/skill-up/career-lectureship/vol14/
我々は何のために生きているのか。
仕事や生活はストレスフルなものであるという古い常識から派生する疑問として「なぜ我々はやりたくもないことや多くの我慢をして生きているのか」というものがあります。つまり、何のために生きているのか、ということです。
マイナビニュースの調査※2によると、やりたいことを仕事にしている人は4割、6割の方が好きなことを仕事にしていません。理由としては様々なものが見受けられますが、好きなことよりも自分なりに優先すべきことを優先している、つまり自分でそれを選択しているようです。
私は、どうせ自分で選択するなら、よりやりたいことを優先させた方が死ぬ前に幸せな人生だったと言えるのではないかと考えています。前述の高橋先生のお話のとおり、いくらでも時間があるから効率化できていないということを逆手に取って、例えば自分の寿命を残り2年に設定し、そのつもりになって今を生きるなどしても面白いのではないでしょうか。他にも心理学を応用した行動変容のテクニックはいくらでもあるので、必要とすれば簡単に見つけることができます。
※2 マイナビニュース 好きなことを仕事にしている人は4割 – 「国際関係」「あら探しが好き」
https://news.mynavi.jp/article/20140921-a021/
今の思考と行動のみが未来を創る
最新の物理理論によると、存在するのは出来事の連なりや変化そのものだけであり、我々はそれに時間という概念を当てはめているだけで、時間というもの自体は存在しないようです。時間というものが仮に存在し、未来・現在・過去があるとしても、どうにかできるのは今この瞬間だけです。過去は認識を変えることで評価を変えられますが記憶でしかなく、未来も確定していません。確実なのは、毎秒ごとに肉体の老化が進んでいくということだけで、今の思考とその思考によって生み出される毎瞬の決断と行動のみが次の今を確定させることができると言えます。
私の拙い人生体験ですが、常に強く思い描いて行動したものに関しては、不思議と次々に人や金や物が集まって実現の道筋が急に開けた経験が何度もあります。
我々が認識しているこの宇宙は、真空と物質の最小単位である素粒子からできており、素粒子は振動するひも状のエネルギーからできているというのが有力な仮説です。当然、我々の体も脳も同じものからできています。素粒子同士が情報を伝達できる量子もつれが確認されている※3ことから、自分の意識が宇宙に何らかの影響を及ぼして実現しやすくなる、なんてこともSFの中だけの話とは言い切れないかもしれません。この宇宙のあり様を思うと、実はとっくにシンギュラリティが実現していて、我々はその中で遊んでいるだけなのかもしれないと考えたりもします。
最初の疑問に立ち返り、どう生きるべきかと問われれば、この人生で何をしたいのかを自らに問いかけ、それに応じた決断と実現に向けて行動するのが幸福であり続ける鍵であると考えます。
※3 “不気味な遠隔作用”こと「量子もつれ」に関する新たな法則を理研と慶應大が発見
https://news.mynavi.jp/article/20200910-1293976/