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ミライノマナビコラム  ― そこが知りたい小学校英語

2019.7.19

第6回 夏休み 英語の自由研究にチャレンジ!

高橋 美由紀

高橋 美由紀

博士(地域研究)
愛知教育大学名誉教授
外国語教育メディア学会副会長・小学校英語教育研究部会代表
世界の研究者が関わった「TOEFL Primary」のテスト開発会議に参加し、制作に携わる。 全国の小学校での外国語活動の指導助言や調査・研究を行う。
主な著書『CLIL in Diverse Contexts 次期学習指導要領とCLILを活用した英語の授業づくり』(2020) 鳴海出版、『小学校授業づくりのポイント』(2015) ジアース教育新社、『新しい小学校英語科教育法』(2011) 協同出版

2020年度から次期学習指導要領が導入され、小学校3・4年(中学年)の外国語活動が週1回、5・6年(高学年)の外国語教育が週2回実施されます。今回は、一足早く、夏休みの自由研究として「外国語(英語)」を使ったアイデアを紹介しましょう。

 

カタカナ語と英語の比較をしてみよう

 チョコレート、トマト、ロボット、バット、カレンダー等、日常生活にあふれているカタカナ語について、「英語らしく発音する」ために、英語とカタカナ語を比較してみましょう。

 チョコレート chocolate

 カレーライス curry and rice

    ジュース   juice

    ノート    notebook

 セーター  sweater

これまで学校で習った語からスタートして、英語の音に慣れ親しみましょう。

 

Small talk (英語表現スキット)ノートを作成しましょう。

1. コミュニケーションの場面を絵で示す。登場人物を描く。

2. その場面で使用する英語表現を登場人物に吹き出しの形で入れる。

例えば、学校の給食時間に隣の席の友人と話す場面

A:  Do you like milk? 

B:  Yes, I do. How about you?

A:  I don’t like milk.

3.6年生のSmall Talk活動に繋げるために、テーマ別にまとまった表現を絵と一緒に提示して、書き記す。

例えば、「My summer vacation (私の夏休みの思い出)」をテーマとして(1)行った場所、(2)そこでしたこと、(3)食べたもの、(4)感想等の絵を描きその下に文を書く。

そして、2学期に友達と「お互いにどんな夏休みであったか?」を話しましょう。

テーマ:夏休みの思い出

A: I went to the sea.

 I enjoyed swimming. 

    I ate watermelon. It was delicious.  How about you?

B: I went to the zoo.

    I saw many animals. It was fun.

    I ate watermelon, too. It was good.

Small Talkとは、高学年新教材で設定されている活動です。あるテーマのもと、指導者のまとまった話を聞いたり(5年生)、ペアで自分の考えや気持ちを伝え合ったりする(6年生)ことです。

5 年生--指導者の話を聞くことを中心

「指導者によるまとまった話を聞いて分かったり」「それらを使えるようになること」「その場で質問に答えられるようになること」

6 年生--ペアで伝え合うことを中心

「既習表現を繰り返し使用できるようにしてその定着を図ること、対話の続け方を身に付けること」   Small Talk(「研修ガイドブック」p.130~134)

 

外来語と英語の比較絵辞典の作成

「カタカナ語と英語の比較」をさらに発展させて、日常生活にある和製英語やカタカナ語等「カタカナ英語」を調べて、絵辞典を作成してみましょう。色々な絵辞典ができると思います。

・買い物、学校等、コミュニケーションの場面によって分ける。

・アルファベット順に語彙を記載する。

・カタカナ語と和製英語の音声と英語の音声を比較する。

 

以下は、語彙の例です。

ビーチサンダル【 a pair of beach sandals】

タレント【TV personality】

コンセント【outlet】

サイン 【autograph(有名人)】  【signature (署名)】

マヨネーズ 【mayonnaise】

セロテープ【cellophane adhesive tape】

ホッチキス【stapler】

トレーナー(運動着)【sweat shirt】

ソフトクリーム【soft ice cream】

 

英語を話されている国、勉強している国について調べてみよう。

グローバル時代において、英語は国際共通語としての役割があります。では、なぜ、英語が国際語として世界中で話されているのでしょうか?

其々の国の教育政策や言語政策が理解できると思います。また、英語がどうして導入されたのか? その国の植民地や移民等について等、深く調べてみましょう。

・母語話者として--母語教育で英語を学んでいる国

・公用語や第二言語として--家庭ではそれぞれの民族の言葉を話しているけれど、学校等では、英語だけでなく算数や理科等の教科を英語で学習をしている国。

・外国語として--日本のように、英語は外国語として学習している国

世界各国の教育政策や言語政策の違いが理解できると思います。

 

オリジナル絵本を作成しよう

これまで学校の「読み聞かせ」等で使用した絵本を使って、オリジナルバージョンで絵本を作成してみましょう。なお、ベースになる絵本は子ども達がよく知っているお話が適していると思います。

中学年段階では、例えば『Five Little Monkeys Jumping on the Bed』の絵本から、動物を替えたり、5匹の数を10匹にしたりして作成します。また、『Brown Bear, Brown Bear, What do you see?』の絵本から、動物と色を変えて作成します。

高学年段階では、例えば『The Very Hungry Caterpillar』の絵本から、他の生物の一生に替えたり、キャタピラーの食べ物にふさわしい「食べ物」にして理科の内容を英語の絵本で行えるように作成します。また、『The Peace Book』の絵本から、「Peace is making new friends.」絵本のセンテンスの一部を替えて、自分の描く「平和」について考える、そんな絵本作りをして欲しいと思います。

 

Anup

 

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