MIRAI NO MANABI ミライノマナビ

ミライノマナビTOPICS

2023.12.15

楽しみながら英語で探究し、英語で発信する——グローバル探究キャンプ 神戸山手女子中学校・高等学校(兵庫県 女子校)

平井正朗校長のもと学校を挙げての大改革に取り組んでいる神戸山手女子。数々の新たな取り組みで、伝統ある名門校が率先して21世紀型の学びを実現している。今回はその一端である「グローバル探究キャンプ」という宿泊行事を紹介する。

 

オールイングリッシュのプログラム

 神戸山手女子には「グローバル探究キャンプ」という、夏期・冬期休暇中のオールイングリッシュ(すべて英語で行う)プログラムがある。併設大学である関西国際大学・三木キャンパスで行われる夏のプログラムには、今春スタートした「グローバル選抜探究コース」の生徒だけではなく、他のコースの希望者も受け入れ、合わせて中高生42名が参加した。

「以前から英語を使ったプログラムを考えていましたが、今年度からグローバル選抜探究コースが開設されたこともあり、楽しい雰囲気の中で英語に触れられる、このキャンプを実施することにしました。」

 校長の平井正朗先生が行事を始めた経緯をそう説明してくれた。プログラムの主な狙いは「英語4技能5領域の向上」と「日本の文化・伝統・歴史を英語で学び探究し、英語で発信できるようにすること」だ。具体的には、学年の枠を取り払ったグループに分かれて、お互いに協力しながら、日本の文化・伝統・歴史について背景知識などを学び探究し、英語でプレゼンする。合間にゲームなどのアクティビティも入れて、楽しみながら英語を使う工夫がなされていた。各グループには、ネイティブの先生や関西国際大学で学ぶ留学生がサポートにつき、生徒たちの活動を助ける。

堂々とプレゼンできるまで成長

「生徒たちはできるだけ日本語を使わないようにして、それぞれの活動に取り組みました。学年の枠を取り払ったことで、上級生が下級生をうまくリードしてくれました。最初は英語での発話を恥ずかしそうにしていた生徒も、周りからのサポートを受けながら、最終的には堂々と英語でプレゼンを行うことができるまでになりました。それまで英語に自信が無かった生徒もアクティビティなどを通じて楽しく英語に触れることができたようです。」

 ネイティブ教員や留学生のサポート、そして上級生のリードと、手厚く整った環境の中で、アクティビティなどで楽しみながら、英語に馴染んでいく生徒たちの姿が目に浮かぶようだ。語学を上達させる際に大切なのは、恥ずかしがらずに間違ってもいいから話してみること、楽しみながら覚えていくこと。これらの重要な点が十分に考えられたプログラムだと感じた。もちろん、プログラムを通して身につけるのは英語力だけではない。肝心の「探究力」についてコメントを求めると、次のように答えてくれた。

「生徒たちは、自ら問いを立て、個別最適化された調べ学習から出発し、ディスカッションを通じて、協働的な学びに直結させています。生徒たちに自己肯定感と予想以上の成長が見られました。」

参加した生徒たちの感想

 最後に実際に参加した生徒の感想を紹介する。最後の英語での感想は、キャンプ直前に同校へ留学してきたばかりのブラジルからの留学生のもの(一部を抜粋)だ。

「自分のクラスや学年以外の人とも友達になることができた。恥ずかしそうにしている人もいたけど、みんなで色々と話せた。」

「先生たちが準備してくれたどのゲームも楽しくて、みんなずっとわくわくしていた。」

「日本のことを改めて知ることができた。」

「英語での発表に最初は不安だったけど、頑張ることができた。」

“I think it was a very good experience for me, I had the opportunity to make new friends before the class started! The girls were very kind with me, even though they were very shy, they did their best to talk with me!”

 

神戸山手女子中学校・高等学校
https://www.kobeyamate.ed.jp/
神戸市中央区諏訪山町6-1 TEL 078-341-2133

Category カテゴリ―