来年度から「神戸山手グローバル」と校名改称して、グローバル化対応・共学化する神戸山手では、定期的に学外の小学生や中学生が参加できるオープンなeスポーツ大会「ヤマテカップ」を開催している。入試広報センター長の大野嘉子先生とデータサイエンス(eスポーツ併設)部顧問でICT教育推進副センター長の友恵悠記先生にお話しいただいた。
知力も人間力も高められるeスポーツ
「本校は、部活動が盛んで、全国を舞台に活躍している陸上競技や卓球、アーチェリー、県でたびたび賞をいただいている吹奏楽部など、運動系・文化系合わせて23クラブあります。生徒自ら学校をアピールする広報部、スポーツクライミング部、中国の言葉や文化に触れるチャイニーズコミュニケーションクラブなどの新たな活動も加わりました。中でもデータサイエンス部に併設しているeスポーツは、今とても活気のあるクラブです。」
eスポーツは今や、競技人口も増えて、中高生からの人気が高い部活動だ。同校が開催する「ヤマテカップ」では、eスポーツの人気タイトル「VALORANT」をプレイする。コンピュータの中で行うサバイバルゲームのようなゲームで、プレイヤーがスキルや武器を選択して、味方チームの勝利条件を満たすように行動するチームスポーツの要素が大きいゲームだ。友恵先生に大会の様子を教えてもらった。
「最初は個人戦で、ゲームに慣れてもらいます。その後、5人1チームに分かれてチーム対抗戦を行います。ゲストは、初め互いに緊張して口数も少ないですが、時間がたつにつれ話し合ったり、声を掛け合ったり、ゲーム終盤には各チームが一丸となって、まるで以前からの友達のような雰囲気です。」
また、学校としてeスポーツ大会を開催する意義について、次のように説明する。
「本校のeスポーツ大会は、初心者が操作を覚えながらスキルアップを目指せる場であり、経験者との切磋琢磨を通じて成長する機会でもあります。eスポーツは「しょせん、ゲームの域を超えない」と思われがちです。しかし、チーム内での役割分担はゲーム結果に大きく影響し、各自の役割を明確にするなどのコミュニケーションが不可欠です。特に対面での大会では、声を掛け合い励まし合うことが重要です。eスポーツでは、ゲームスキルだけでなく、コミュニケーション力、分析力、判断力といった能力が求められ、プレイヤーは試合を通じてこれらのスキルを高めていきます。」
チームは友達同士で参加して編成しても良いが、人数が足りない場合は参加者同士で協力してプレイする。9月28日に行われたプレ体験会では初心者向けのチュートリアルもあり、どのレベルの人も参加可能。そして、予選リーグの結果を元に10月26日のチャンピオンを決めるチャレンジ会が開催された。他にも「きてみてヤマテ体験講座」では、eスポーツを通して英語を学ぶ体験講座も開講している。
「『きてみてヤマテ体験講座』は年間を通して開催しています。eスポーツを楽しみながら、英語を学ぶ体験講座の参加者から『講座内で何度も同じフレーズを繰り返すうち、自然と英語が頭にインプットされました』『eスポーツのスキルが上がると使う単語やフレーズも増えるので、もっとチャレンジしたいです』などの声が聞かれました。」
楽しく学ぶ学校が目指す未来の教育
勉強が苦しいものというのは過去のイメージだ。同校は平井正朗校長のもと新しい時代の「楽しく学ぶオンリーワンの学校」の姿が模索されている。首都圏(進学館√+)でも好評を博した平井校長による教育講演会が創立100周年記念事業として、以下の通り開催される。
世界を駆ける!——「英語教育の今と10年後の未来」——
12月21日(土)9:30~11:00
会場 神戸山手女子中学校高等学校
対象 受験生、保護者、英語教育に関心のある方
申込み この申込みページより